「どけて!!どけろ!!」


俺は一番前に立った時
現実に直面した。


真っ赤な血が俺を待ってるように
流れ出している



信じられない・・・・


「真理子?」
俺は駆け寄ってそのおびただしい血の
ところに立った。



真っ白いワンピースが
真っ赤に染まってる。



ひざまついて
血だらけで顔もわからない
真理子と思われる女性を抱きかかえた。


髪に毛をかき分けて
真っ赤な顔を手で必死に拭いた。


「おい!?おきろよ!!マリコ?」
俺は何度も真理子を
揺さぶった。


真理子は力が抜けたように
手がブラ~ンと落ちた。


「救急車呼んだぞ~」
誰かが叫んだ。



あんなに地獄の闘病に耐えてきたのに
こんな形で・・・・

どうして?

真理子の命を握ってるのは
病気だったはず。


なのに・・・・
どうして?
こんなこんなことに・・・・・


小振りだった雨が
俺の涙と同じくらいに激しく
落ちてくる。