「結婚させていただきたいんです。」


俺は両親の前で切り出した。


「え・・・先生・・・
娘は・・・・
爆弾を抱えてるんですよ……」


父親が驚いた顔で言う


「それでも…真理子さんと
一緒にいたいと思ってます。」



「先生はまだ若いんですから…
真理子の病状を
せめて五年……待ってもらったって……」




「はっきり言って
また転移する可能性もあるし
最悪なことだって……だから
まだ結婚っていうのは
ありがたい話だけれども……
先生にとっては……
いい選択だとは思えません。」


「僕のことを心配していただいて
ありがとうございます。
もう教師と生徒じゃないし
堂々と真理子さんを愛することも
できます。
真理子さんが望むなら
また一年高校生でもいいんですが……」



「先生・・・・
なんて感謝したら・・・・・
あの子の頑張りに
先生のその言葉があったんですね?」

母親が土下座をした。



「先生・・・・
どうかよろしくお願いします…。」


「おい…何を言い出すんだ。」
父親が慌てて母を抱き起こした。