運命の恋~先生を抱きしめたい~

「三人で乾杯しよう」


「カンパ~イ」


錬は一気に飲んでしまって
真理子さんのジュースも飲んだ。



「ありがと・・・・
真理子・・・・
きっと真理子は俺が心配だったんだよな。
いつまでもめそめそしてるから
それで紅に頼んだんだ?
俺が情けないから
抱きしめてあげてって・・・・」




「毎年会いに来るから・・・
紅と一緒に・・・・
俺たちどんな十年後なのかな・・・・
それから
じいさん ばあさん になっても
ちゃんと愛があるように
真理子に見てもらわないと……」


私も手を合わせた。


「私が甘えっ子で情けない錬を
しっかり受け止めるから
真理子さんは安心してね・・・・・
いつも私たちを
見守って下さい・・・・
あなたがそう…そうね…
きっと結ばせてくれたのね……
ありがとう……
あなたの大事な錬を
ずっと大切にします……」



錬は私の肩を抱いた。


「また来年・・・・」


二人で帰ろうと背中を向けた時
一瞬・・・


 おめでと


って聞こえた気がして私は
真理子の墓を振り返った・・・・
同時に錬も・・・・・


私たちは顔を見合わせた


真理子さんの声が聞こえたような
気がした・・・・・。