運命の恋~先生を抱きしめたい~

「錬?泣いてるの?」

俺の涙が紅の肌に溶けて行く



「俺を一人にするなって……
一人はもうたくさんだよ……
俺を現実に引き戻したのは紅だろう?
どうして別れるなんて言う?」



「ごめんなさい……
錬…知ってたのね……
私のこと………」



「金曜日に知った……
だけど俺の想いは変わらない
どうして信じない?」



「同情されたくないから
私が哀れで錬はきっと
自分の心押し殺して
私のために我慢するんでしょう?
それがつらいから……」



「同情?」



「このことを話さないと
結婚はできない……
だけど錬にだけは知られたくなかった
あの時受けた恐怖と
屈辱を……愛する人には話せなかった……
いつかばれると怯えて暮らすより
別れた方がいいって
思っていたの……」


紅の言葉に
俺は顔をあげられず
大声あげて泣いてしまった・・・・