運命の恋~先生を抱きしめたい~

駐車場に車を止めて
夏だというのに冷えた身体を
丸めて玄関に向かう



「錬・・・・」


ハッとしてあたりを見回った。


「れ・・・・ん・・・・」

鉢植えの影から
紅が出てきた・・・・・


「紅!?」



「ウッ…ウ・・・ウ・・・」


肩を揺らして泣いている



「紅…いつ来たの?」



「ごめんなさい……来るつもりじゃなかったのに
どうしても会いたくて…会いたくて…」

嗚咽交りの言葉を必死に言う


「おいで・・・」


俺は紅の手をしっかり掴んだ


 ありがとう…会わせてくれて


俺は運命に感謝した・・・・


あとは俺の言葉が紅に響いてくれればいい…


冷たい手が
揺れている・・・・・・。