運命の恋~先生を抱きしめたい~

その時 和弘の携帯が鳴った。


携帯のディスプレイを見て
一瞬俺の顔を気まずそうに見た。


瞬間的にこいつか?
と俺は勘ぐった。


「あ…もしもし………え?
イヤ……金……なんか用意できない……
だって……もうずいぶん貸してるし
おまえ返さないじゃないか………」

和弘の様子に金を要求されてるのが
わかった。



俺は和弘から携帯を
とりあげた。


「わかった……持っていく
どこに行けばいい?」


和弘のようにモソモソとしゃべると
相手の男は場所を言って
電話を切った。



「先生…どうするつもりだ?」


「おまえどのくらい金とられてんだ?
お母さんからとってるのか?」



「あ…五万くらい……
父さんと母さんの財布から少しづつ…」


「そんなことして
楽しいか?そこまでしてそんな友達と
いたいのか?
あいつらは俺の声とおまえの声の区別も
つかねーよ。
おまえの輝く場所はそんなとこじゃない
違うか?」


思わず声を荒げてしまった。