運命の恋～先生を抱きしめたい～

「先生になら本当のことを
知られたってママは大丈夫な気がするわ。
どうしてそんな風に考えるの？」


「だって……きっと先生はそれを知ったら
紅は傷ついているから
大事にしなきゃいけないとか
泣かせてはいけないとか
きっと言いたいことも我慢してしまうわ。
私は本当の先生と一緒にいたいの。
先生の負担になりたくない……
ママ…わかってくれる？
だからこの一カ月が限界なの……」



「紅…どうしてそんなふうに…
いいじゃない…愛されてるなら
同情だって愛なんだよ。」



「先生にだけはイヤなの……
先生は大事な人を亡くして
心に傷を持っているの……
私は先生のことをずっと抱きしめて
あげたいって思ってきたのに……
まだ傷が癒えてないのに……
私に同情したら
先生は立ち直らないままに
私に心を隠して頑張ってしまうから……」


母はため息をついた。


「紅それでいいの？
一カ月でいいの？
それで納得できる？
先生をまた傷つけることになっても？」



「言わないで・・・・
だから一カ月を大事にしたいの」



私はテーブルに顔を伏せた。



「紅は本当に・・・・
先生が好きなのね・・・・・」


「うん・・・
世界で一番・・・・・」


ママが私の頭を撫ぜてくれた。