運命の恋~先生を抱きしめたい~

朝 母の待つホテルに錬と一緒に
帰った。

「なんか…恥ずかしい」


「俺も・・・恥ずかしい・・・」
錬が頭をかいた。


「ずっと一緒にいたいけど
ごめんな、俺今日は大事な授業があるから」


「わかってるって」


「終わったら電話する
また俺のところに来るだろう」



思わず私は
「うん」とうなづいていた。



母が出てきて
うわづった声で錬が挨拶をした。


「佐藤です。
すみません…大事な娘さんを朝まで
お借りしてしまって…あの……」


いつもクールを装っていた錬が汗を
流していた。


私はおかしくて
爆笑してしまった。

しばらく笑いがとまらない。


錬はそんな私を横目で見ながら
母に平謝りをしていた


「紅のそんな顔初めて見たわ」
母が涙をふきながら
笑う私にそう言ってつられて笑った。


「また…夕方迎えに来ます。
それまで…どうかどこにも行かないように
見張っていて下さい」


錬は母に頭を下げた。