運命の恋～先生を抱きしめたい～

私は少し歩いて夜景に近づいて行った



先生の低い声が
後から聞こえてくる


　これから抱かれます


そう母に報告してるようで
恥ずかしかった。



でも……母が言ったように
今夜だけは…先生が何も聞かなかったら
私は先生のことだけ
想っていたあの頃に戻って


真理子さんを想い続けていた
あの胸に抱かれてみようと思った。



先生・・・・
ごめんね・・・・・
紅は悪い子だね……いろんな嘘を隠して
今夜は先生と一緒にいたい



暗い空に輝く星に手を合わせた。


　許して下さい……


足音が近づいてきて
後から抱きしめられた。


「こうやって紅が俺を抱きしめてくれたよな。
あの気持ちってきっと今の俺と
同じ気持ちなのかな……
守ってやりたくなる
紅を縛りつけている悲しいものから…
こうされると不思議に落ち着くんだ。
おまえが抱いてくれた時
俺はそう思ってた……
紅は？どんな気持ち？」


私は先生の肩に組まれてる
両手を唇に近づけた。



「愛してる・・・
世界で一番愛してる・・・
そう思ってる・・・・・」

そうして大きな少し冷たい
手に頬づりをした・・・・・・。