運命の恋~先生を抱きしめたい~

入り口のあたりで大歓声がした。


数人が立ち上がって
入り口にたまっていた。


「聡美~来たよ」

女の人が聡美さんを呼びに来て


「紅ちゃんすぐ来るからね」


そう言うとほろ酔いの兄の腕を
引いてその輪の中に入って行った。


その輪から戻ってきた女の人たちが


「なんか…感じ変わったよね」


「あの時からみたいだよ」


「だから聡美も遠慮したんでしょ?」


と声が聞こえてきた。



ひと固まりがこっちに向かって
歩いてきて


「ここに座って~」


そう言うと私の横の席を指さした。

私は立ちあがりひとつ席をずれて
聡美の隣の席を開けた。



「ありがと!!とてもなつかしい
友達なの!!」


かたまりから各自 
自分の席に戻って行った時


私はハンカチを床に落として
拾おうとしゃがみこんだ。