運命の恋~先生を抱きしめたい~

真理子は病気で学校に行けず
人との関わりを知らずに
青春時代を閉じてしまった。


紅はやっと殻から抜け出し
笑顔が見られるようになった。
何も変わらなかった。


あの放課後も・・・・
普通に別れたのに・・・・


「ひとつだけ・・・・
死に向かう病ではないことだけ…
安心してくれ……。
紅が前まっすぐ見て歩く決心をしてくれたなら
その時は
君にも話せるだろう。
だから今は何も聞かないでほしい・・・・」



「自分にできることが
あるかもしれません!!」



「病気・・・といえば
紅は心の
病気を患っている・・・・
それが原因で死を感じることもある。
だから紅はしっかりとした
体制の中で見守っていかなければ
いけないんだ………」


「その…原因はなんですか!?
この休み中の話なんでしょう?」




「錬くん・・・・
私の勝手を聞いてくれ・・・・
今は絶対に話せない・・・・
父親としてダメな父親としてできる
精一杯の紅への償いなんだ……
紅がそれを強烈に望むなら
私はそれを守ってやりたい・・・・
いつか君に話せる時が来るから……
それまでは……
紅を静かに思い出してほしい……」




月城先生は首をガクリと前に倒した。