運命の恋~先生を抱きしめたい~

「今帰るって……ああ…わかってる」


そう言いながら琉仁の声は小さくなった。



私は唇をゴシゴシ拭いた。


琉仁との思い出は今までそれなりに
イヤではない過去だったが


今日からは思い出したくない過去に
なってしまった。


「バカ……」

自分が情けなかった。



「先生……先生……」



明日琉仁がまた来たら……
今日だって軽蔑されたのに



先生にとって
バイクは敵でしかない


だから琉仁と喧嘩になったんだ……



 明日が来なけりゃいいのに


不安で胸が一杯だった。