運命の恋~先生を抱きしめたい~

家に帰ると兄が帰り支度をしていた。


「帰るの?」



「そんなに長くは休めないからさ。」



「私も逃げ出したい……」



兄は私のあたまを ポンポンと叩いた


「ずっと仲が悪いのは知ってた。
うちがグレた時もほったらかしで
仕事ばっかしてたから
私のことなんてどーでもいいんだって
思ってたけど…
最近パパとあるきっかけで
話せるようになったんだ。
ちょっと嬉しかったのに……」



「いろいろあるさ。
人生一度きりだろう。
後悔しないように生きたいんだってさ。」



私は涙が出てきた。


「私たちよりあの女と
あの女の策略にはまって
うまれてくる子供をとったってことでしょ?
うちら捨てられたんだよね。」



「紅…おまえも好きな人がいるだろう
結婚しても恋してしまったんだって。
年や立場なんて関係ないんだよ。
そう思って親父の人生歩かせてやろう。」



「お兄ちゃん、大人過ぎ。
いいよ、ここに住まないんだもん。
私はこれからママと一緒だよ。」



大きなため息をついた。