運命の恋~先生を抱きしめたい~

誰かが父を呼んできた。


「紅・・・・」

父の顔は血の気を失っていた。



情けなくて涙が流れた。



「パパ・・・情けない・・・・
大っきらいだから
もう紅の前に現れないで。」




「紅、ちょっと待ってくれ。」



「ママだってそれを知ったら
すぐハンコ押すから・・・
さっさとこの女の策略にはまってやれ!!」



「紅!!」



父の力ない声を背に
私は飛び出した。





ショックだった。



小さい頃の父が浮かんでは消した。


最近やっとまた距離が縮まったって
思ってたのに



もう二度と話さない



私は泣きじゃくりながら
家へ向かって
自転車を飛ばした。


父が若い女と真剣に恋をしてる
信じたくない
現実に私は動揺していた。