運命の恋~先生を抱きしめたい~

「にげるぞ~パクられちまう。」

仲間の一人の声に
バイクに飛び乗った。


私はその間もずっと聞こえてる
男の人の悲痛な叫びに
体が動けなくなっていた。



その人は


空を仰いでいた。


雨が激しくなってきた。



「誰か・・・・誰か・・・・
助けてください~~~!!!
助けて・・・・・うぉ~~~~~っ……」



男の人はマリコという人を
抱きしめたまま
激しい雨に打たれていた。


「助けて・…助けてください~~」
その叫び声は
そのマリコと言う人が
男の人にとってとても大事な人なんだと
わかるくらいに
悲痛なものだった……


「紅!!!いくぞ!!!」

琉仁に手を引っ張られて
私はバイクに乗った。


雨の音が激しいのに
男の人の声はハッキリと聞こえていた。



「マリコ!!
目を開けて・・・・もう一度だけ・・・
俺を見て・・・・マリコ~~~~!!!」


その声に追われるようにして
琉仁のバイクはまた街を突っ走る。


そして私は
その日から………
その声が忘れられなかった……