運命の恋~先生を抱きしめたい~

家の電話が鳴った。


「・・・紅・・・」
母の声



「ママ・・・・?」



「ごめんね・・・・。
家めちゃくちゃでしょう?
急に嫌になっちゃって……
明日明け番帰ってきたら片づけるから
そのままにしておいて。」



「どうしたの?
パパは出張だよね?」



「うん・・・・学会で出張だけど
誰かといったの・・・・・。」



「え?誰かって・・・・?」




「紅…ママ捨てられちゃうわ。」
泣き声だった。



「ママ、しっかりして。
今はしっかりして!!
お医者様なんだからね!!
命預かってるんだから!!」



母は笑った。

「そうだった・・・・。
ママは医者だったんだ。
ごめんね、明日するからね・・・・」


そう言って電話を切った。