運命の恋~先生を抱きしめたい~

先生が笑ってる


それは私に見せる
初めての笑顔だった。


私の胸は大きく高鳴った。



「今日の先生が本当の先生でしょう?」



「そんなことないさ。
月城が見てる今日の俺は
情けなくて哀れな人間で
いつもの俺が本当だよ。」


「今日のことは誰にも言わない。
だから明日からいつもの
先生に戻ってください。」



先生がわらった。

「あははは・・・・
助かったよ。
あれだけ厳しい教育者をしてるのに
今日の俺はめちゃくちゃ
カッコ悪いから
恥ずかしいな。
こんなとこ生徒に見られて。」


先生はベットから立ちあがった。



「先生、辛そうです。
真理子さんを忘れられないから
おじさまもおばさまも心配してました。」



「そうだね…辛いね。
忘れたくないけど、本当に辛い。
忘れられたらどんなに楽かって
思うこともある。」


写真立てを手にしていった。