運命の恋~先生を抱きしめたい~

ちょうど玄関に
おばさまの姿が見えた。


鶏のいい匂いが家中を包んだ。


「いい匂い~」
思わず玄関に吸い寄せられた。


「錬くん来た?」

靴を見ておばさまが言った。




「真理子さんのお部屋で寝ています。」



おばさまが悲しそうに微笑んだ。


「いつものことなのよ。
いつになったら錬くんが歩きだすのか
心配でならないの。」



「真理子さんを
今でも愛してるんですね。」


その言葉は自分にとっても
痛い言葉だった。



「そうね………」


おばさまは先生と真理子さんの
話をしてくれた。
それは悲しくて
でも強い愛で結ばれた二人の
歩いてきた道のり・・・・・・・。


あの日、先生はプロポーズを……
そして真理子さんは
それを了承するつもりだったと……