運命の恋~先生を抱きしめたい~

「父と一緒に来たんです。
父は病院からの呼び出しで帰ってしまって
今、おじさまとおばさまは
買いものに行ってます。」

声が震えそうだった

「そうか・・・
ごめん、なんて謝ったらいいのか」


「私は大丈夫です。
気にしないでください。
先生……ここには
私の知らない顔をした先生が
たくさんいるんですね。」

思わず口にしてしまった。


先生は真理子さんの写真を
見つめながら

「ごめん………
この日だけは俺どうしようもなく
ダメなんだ。
朝起きて 真理子の墓まで往復4時間
走り続けて
途中で真理子の好きな花を買って
家帰ってシャワーしてから
一年ぶりの酒飲んで……
いつもここ来るときは
酔っ払いで……」



そう言うと
「真理子……のまぼろしが
見えてしまった。
酒ってダメだな。
やっぱり自分を見失ってしまう。」


そう言うと
ベットに横になった。


「先生?」

私が恐る恐る近づくと
背中を向けていた先生は
泣いていた・・・・・・。



「真理子………
幽霊でもいいから出てきてよ……」


私は胸が痛くなって
部屋に戻った。