運命の恋~先生を抱きしめたい~

「錬くんはもう来たのかい?」


錬という言葉に
心臓が飛び出そうになった。


「まだ……
いつものコースよ、きっと。
お墓に行って
事故現場に行って
それから家に来て………」



「走ってるのか。」



「もうそんなに自分を追い詰めないで
って言ってるんだけど
走ってると真理子も一緒に
走ってくれるから
いろんな話をしながら
一日を過ごせると言って……」




「若いから早く立ち直って欲しい。
先生には申し訳なかった。
辛い思いをさせてしまったから……
なんとか……いい恋をして
真理子を忘れてほしい。」



彼の心の中には
まだ真理子さんが占めている。


「紅の担任なんだよ、ビックリしたよ。」