運命の恋~先生を抱きしめたい~

何がそんなに楽しかったの?


そう聞きたいくらいの笑顔
私はこんなふうに笑ったことは
なかったから


 明るい人だったんだ…



心に思っていたことを
真理子の遺影に語りかけた。


返事はわからないけれど
自分よがりには
手を合わせられて
少しホッとしたのは

自己満足かもしれないけれど……




「ずいぶん長くお参りしてくれて
ありがとう」


おじさまが言った。



「真理子、よかったな。
紅ちゃんだぞ。」



「私のこと真理子さん知ってますか?」



「知ってるよ。
名前が可愛いとか
妹に憧れてたからね~」



「休みの日に急に二人で
病院に呼び出されたら
ここにおまえをお願いしたんだ。」



「うちは大歓迎で
真理子が喜んで世話したのよ」



「真理子さん明るい人だったんですね」


遺影の笑顔を見つめた。