運命の恋~先生を抱きしめたい~

「出かけてくる」


リビングにいた父に声をかけた。



「学校から電話が来てたぞ。」
父が新聞から目を離さずに言った。


「…なんて?」



「迷惑してるってさ。」
父はため息をついた。



中学の時はしょっちゅう電話が来てた。


「高校まで・・・・。
それもパパの出身校なんだけどな。
担任も・・・錬くんだなんて
穴があったら入りたいよ。」



「え?」

父の言葉に 錬くん という名前を聞いた。


「今 錬くんって言ったの?
錬って
佐藤 錬 のこと?」



「担任なんだってな・・・・・。
ビックリしたよ。」

父と二言以上話したのは
久しぶりだった。



「知ってるの?」

私は父の思いがけない言葉に
驚いた。