いやいや!
香奈はテスト勉強するために来るんであって、俺がこんな事を考えてるなんてこれっぽっちも想像してないだろう。

でも俺だって男だからいつまでもキス止まりなのは物足りない。

やっぱり香奈を抱きたいって気持ちはあるんだ。






運命(大げさ?)の土曜日がやってきた。

親父と母さんは、明日の夕方には戻るからと言って朝早くに祖母ちゃんちに行った。

1人になった俺はとりあえず掃除機だけかけると香奈を迎えに行くまで時間を持て余してしまった。

ジーパンのポケットから取り出した物をじっと見つめる。

いわゆるゴムである。

以前に友達からもらった物で使う機会もないまま引き出しに眠っていたのが今日、日の目を見た訳だ。

これを使う展開になるんだろうか…。

妙な妄想に耽ってしまいそうな頭をブンブン振って邪念を追い払う。

とりあえずテスト勉強。
そのために香奈を呼んだんだから。

後は流れに身を任すしかない!

ゴムをポケットの奥に突っ込んで香奈を迎えに行くために家を出た。