キライ

いつも通り校門で合流して帰路につく。

決心はしたものの、いつ切り出そうかと迷いつつ大迫の話に頷いている私。

「何かあったのか?」

うわの空の相槌を不審がる大迫の声に私の肩がビクッと震えた。

「香奈?」

私は意を決して大迫を見上げた。

「ねぇ、もう私は十分借りを返したと思うんだ」

声が震えないようにグッと拳を握りしめた。

何も言わず私を見る大迫。

ああ…涙が出そう…。

涙が零れる前に私を解放すると言って! 

長い…長い…永遠に続くかと思うような沈黙。

ようやく大迫は口を開いた。

「そうだな…。篠田は十分やってくれた」

ずっと『香奈』って呼んでいた大迫が私を苗字で呼んだ。

「でしょー!もう大迫も変な心配せずに本命の子にコクれるよ!」

私は努めて明るく言った。

心は悲鳴を上げてる。

でもそれを大迫に知られずに最後まで笑ってないとだめなんだ!

「そうだな。今なら安心してコクれそうだ」

微笑む大迫に胸が軋む。

もうちょっと…もうちょっとだから頑張れ私!