「今日もバスケ見に来いよ」

「はぁ?何で」

「昨日の今日で一緒にいなかったら不審がられるだろ」

それなら余計な事しなきゃいいじゃない!
ホントいい迷惑。

「わかった」

私は短く答えると大迫のそばを離れた。

私達を遠巻きに見てる人はイチャイチャして!みたいに思うだろうけど会話の中身は素っ気ない。 
甘い雰囲気とはかけ離れた業務連絡みたいなものだ。






放課後、大迫に言われたように体育館に向かおうとした私をとおせんぼするように立ちはだかる女の子がいた。

どうやら同じ学年らしい。
上靴のラインが同じ色だ。

黙ってその子を見つめていると向こうから口を開いた。

「私、あなたが大迫くんのカノジョなんて認めてないから」

そりゃ、カノジョのふりだから別に認めてもらわなくていいんだけど。

彼女の上から発言に、生来の勝ち気さが頭をもたげて、つい言ってしまった。