『クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史は変わっていただろう』


とかなんとか言うけど、そんなんで本当に世界って変わるの?


とか、なんとかぼんやり考えてた16の春。


ゴンッ!!


「痛っ!」


「あ、悪い‥。はいコレ。」


そう言って、自分が肘鉄食らわせたあたしにティッシュを差し出すと、そいつはさっさといなくなってしまった。


少しして、やっと自分の鼻から血が出ていることに気付いて、ティッシュを渡された意味を理解する。


ティッシュを鼻に詰め込んで、不意に桜散る空を見上げた。


なんだか、世界が変わったような気がした。