あたしは行く宛てもないまま歩きつづけるとある丘についた。


「ここは・・・」


ここはあたしが昔、充兄ちゃんと結婚の約束をした場所だった。




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『充兄ちゃん!!これあげる!!』


あたしは小さな花で作った指輪を渡した。



『おっ!ありがとう!!これ、大切にするな☆』



充兄ちゃんは笑顔で言ってくれた。



『千夏ね~大きくなったら充兄ちゃんと結婚するの~♪』


『そうだな~じゃあ千夏が結婚できる歳になったらこの丘にまた来ような!』


『うん!!』



そしてあたしと充兄ちゃんは指切りをした。



この時のあたしはまだ軽い気持ちで約束していた。


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「―――っ」


あたしはそんな昔の事を思い出しながら泣いた。