絶叫を上げながら、ねこさんが飛び出していくのが見えました。 うさぎさんを引き戻す為でしょうが、肉体労働に精を出しているぶたさんには、その行動が間に合わない事が一瞬で理解できてしまいます。 このままでは恐らく、二人とも轢かれてしまうでしょう。 二人の命の危機を前に、ぶたさんの頭は急激に覚醒し始めました。 まるで、時間が止まったように、思考だけが回り続けます。

 とはいえ、どうすればいいというのでしょう。 ねこさんを止めればねこさんは助かりますが、うさぎさんは確実に轢かれます。 うさぎさんを助ける事も出来そうですが、その場合、ねこさんが轢かれてしまうでしょう。 急激な思考の回転をもってしても、それ以上の結論をひねりだすことはできませんでした。