いくら闇金といえど、あれだけの金額をイキナリ貸してくれるはずがないから、きっとかなりえげつない条件を突きつけられていたに違いない。 ぶたさんは、とにかくいろんな事を、ボンヤリと考えていました。

 ねこさんの最後の言葉は、まるで自分自身に向かって放たれているように感じましたが、それでも現実を受け入れることはできませんでした。



 一瞬、うさぎさんの目がぶたさんの方を向きました。 虚ろながらも、どこか芯のある、何かを問いただすような真剣な眼差しで、ジッとぶたさんを見つめてきます。

 ボンヤリしながらも、うさぎさんに対して負い目しかないぶたさんは、思わず、ほとんど無意識に、スッと目をそらしてしまいました。


 その様子を見たうさぎさんは、一瞬、この世の終わりのような表情に変わりました。 が、その後すぐに優しい微笑みを浮かべて、またどこか、違うどこかに目線を動かしました。



 目線から解放されたぶたさんでしたが、さすがにもう、ボンヤリは出来ませんでした。 自分が金稼ぎに失敗した事も、今のやりとりでうさぎさんは気付いてしまったはずです。

 でも、うさぎさんは責めの言葉すらなく、むしろすべてを受け入れ、許してあげると言わんばかりの微笑みを、ぶたさんに投げかけてくれたのです。 ぶたさんは泣きたくなってきました。 自分がいかに愚かで、情けない方法をとってしまったのかを強く悟りました。