ある日、ぶたさんは夢をみました。



 「コリャ、このぶたやろう。お前はどうして仕事をしないんだ」

 「仕事なんかしなくても金が手に入るからだよ」

 「コリャ、このぶたやろう。お前はどうしてその才能を他に活かそうとしないんだ」

 「お金さえあれば、何をする必要もないからだよ」

 「お前に運を与えたのは間違いだった。お前の運はぼっしゅうさせてもらう」

 「なんだとう。それじゃあ僕はどうやって暮らしていけばいいんだ」

 「まわりのみんなと同じように、あせみず流して働けばよい」

 「それじゃあ不公平だ。僕にあるのは運だけだ。運がなくなって、あんたは僕にみじめな人生を送れというのか」

 「なにをいうか。お前にはたくさんの才能と未来が無限大にひらけておるというのに」

 「不公平だ。差別だ。ひどすぎる。あんまりだ。ぶた権侵害で訴えてやる」

 「・・・それほどいうなら、いいだろう。おまえからぼっしゅうする運は半分だ。のこり半分を努力でおぎなえば、おまえのいうようなみじめな人生にはならないであろう」

 「えっ、半分?おい、半分っていったいどういう意―――」



 そこでぶたさんは目が覚めてしまいました。