少し間を置いてから、うさぎさんがおどろきの声をあげます。 無理もありません。 ぶたさん自身、突拍子もない事を言っているなあ、と思いながら言っているのです。 少なくとも、今の話を聞いてから頼むような内容ではないでしょう。

 ぶたさんの考えは単純なものでした。 不幸の後に押し寄せてくる幸せの波を、うまくお金に結びつける。 ただこれだけです。

 今までは、お金やそれにともなうものが失われると、お金に変えられない大切なものがぶたさんに返ってきていました。 逆に言えば、今までのぶたさんが失って怖いものなど、お金以外にはなかったという事です。

 今回、結婚という大きな幸せの反動は、恐らくうさぎさんの借金なのでしょう。 自分の幸せのために、自分の大切なお友達がギ牲になるなんて、今のぶたさんには考えられない苦痛です。 だからこそ、これが大きなバネになると考えたのでした。