合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです

程なくして、雅樹が舞子と一緒に部屋に来た。

「雅樹、ごめん。
なんか自信なくなっちゃった……
あたし、ほんとに雅樹と結婚して、いいのかな……」

あたしは、真っ直ぐに雅樹の顔を見ることができない。

「今更、何言ってんのよ、裕子!
散々あたしのこと行かず後家とか、言って笑った癖に!
散々あたしに惚気て、幸せになるって言った癖に!
いいわよ、止めれば。
その方があたしだって嬉しいかも。
おひとり様同盟が戻ってきてさ。
大丈夫、裕子なら、一人でも立派に子供を育てられる。
男なんていてもいなくても同じ。
役になんか立たないよ!
迷うくらいなら、止めた方がいい。
ひとりの方が気が楽だよ!」

舞子が一気に捲くし立てる。

「ちょ、ちょっと、舞子さん……」

流石の穏やかな母も、あっけにとられて目を剥いた。

「だいたいさ、ずっと裕子を辛い目に合わせてきて、子供ができたからって、それだけで幸せになれるって、ほんとにそんな単純なもんだと思ってんのかしら?
今、裕子が不安になるのは、あんたの愛が足りないからよ!」

って、舞子が雅樹をあたしの方へ押し出した。