雅樹はあれほど激しかった夜のいとなみをぱったりと控えた。
なんでも、安定期に入るまでは用心に越したことはないと、周りからきつく忠告を受けたらしい。
真面目な顔で、そう説明された時には、さすがに笑ってしまった。
「だから、お前に飽きたとか、身重になって魅力がなくなったとか、そういうんじゃないから。俺だって、我慢してるんだ。でも、何かあってから後悔したくはないだろ?」
ひとしきり笑ったあと、頷いた。
「わかった。そのかわり、キスは一杯して。それならいいでしょ」
つわりは苦しかったけど、あたしは幸せだった。
雅樹に、そしてみんなに守られて、幸せな気持ちでいっぱいだった。
仕事柄、現場に来るまで向かうことの多い樹は、時差出勤のあたしを会社までよく送ってくれた。
既に、自分の車にベビーシートを備え付け、送迎係りをアピール。まるで第二のパパの様相。
「あんたね、自分の子供作ること考えなさいよ。あたしの子供の世話焼いてどうすんのよ」
「だって、それ、まず相手がいるだろ? マジ面倒。手っ取り早く、姉貴の子で子育ての予行演習させてもらうよ」
なんて、ほざいてるし。
そして、あっという間に七月の挙式の日を迎えた。
なんでも、安定期に入るまでは用心に越したことはないと、周りからきつく忠告を受けたらしい。
真面目な顔で、そう説明された時には、さすがに笑ってしまった。
「だから、お前に飽きたとか、身重になって魅力がなくなったとか、そういうんじゃないから。俺だって、我慢してるんだ。でも、何かあってから後悔したくはないだろ?」
ひとしきり笑ったあと、頷いた。
「わかった。そのかわり、キスは一杯して。それならいいでしょ」
つわりは苦しかったけど、あたしは幸せだった。
雅樹に、そしてみんなに守られて、幸せな気持ちでいっぱいだった。
仕事柄、現場に来るまで向かうことの多い樹は、時差出勤のあたしを会社までよく送ってくれた。
既に、自分の車にベビーシートを備え付け、送迎係りをアピール。まるで第二のパパの様相。
「あんたね、自分の子供作ること考えなさいよ。あたしの子供の世話焼いてどうすんのよ」
「だって、それ、まず相手がいるだろ? マジ面倒。手っ取り早く、姉貴の子で子育ての予行演習させてもらうよ」
なんて、ほざいてるし。
そして、あっという間に七月の挙式の日を迎えた。



