合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです

五月五日、晶子さん夫妻に無事男の子が誕生した。

別に狙ったわけじゃないだろうけど、めでたい。

あ、でも、旦那さんは産婦人科のお医者さんだから、狙ったのかな?

雅樹は早々、お祝いと、否認の手続きに大阪へ出向いて行った。

自宅で雅樹の帰りを待つあたしは、何故かソワソワと落ち着かない。

だって、早く雅樹に知らせたくて。

晶子さんの出産日まで必死に隠してきた秘密。

「裕子、ただいまぁ」

あっ、雅樹が帰ってきた。

「おかえり、どうだった? 赤ちゃん、可愛かった?」

「嗚呼、可愛かったぞ。晶子の旦那にも会ってきた。なかなかいい男だった。晶子も見る目があるな。幸せそうだった」

「そっか、よかったね。手続きも完了?」

「嗚呼、一通りの必要書類は渡してきた。あとは向こうの弁護士が面倒見てくれるらしい」

あたしはもう待ちきれない。

着替えをしながら向こうの様子を話す雅樹に、唐突に告げた。

「ね、雅樹? あたし達にも、赤ちゃん出来たよ」