「引き下がりませんよ。また週明けから来ますから。納得して頂けるまで何度でも」
企画室に引き返そうと振り返ったところで目があった。
「あれ、竹内さん、お久ぶりです」
販促課の竹内さんだった。確か彼は、あいつの同期。
「今日も派手にやってるな」
「え? 何ですか? 見世物じゃありませんよ」
「こう連日派手にやられちゃ、もう、この朝の日参は社内のトップニュースだ。ま、巷の予想じゃ、いつ木村が折れるかってとこに注目が集まってる」
と竹内さんが、ちらりとあいつに視線を送った。
「わかった。512Mでいこう」
突然、あいつが意を決したように立ち上がった。
「柏木、その資料を5部コピーして、営業グループに配れ」
「白石、森山、坂本、酒井、佐藤、現在256Mを納入している得意先リストを作って、512Mに置き換え可能か、その時期と納入価格を試算しろ。得意先に不利にならないよう、慎重にな。あくまでコスト削減の為の置き換えだ。こちらの生産体制確立までのスケジュールは柏木に聞け。ラインが軌道に乗るまでにはある程度余裕を見る必要がある。営業側の都合だけで動くな。工場とも密に連絡を取れ」
そう一気に捲くし立てると、あいつは、
「じゃ、あとは任せた」
と上着を羽織り、ファイルを片手に動き出した。
企画室に引き返そうと振り返ったところで目があった。
「あれ、竹内さん、お久ぶりです」
販促課の竹内さんだった。確か彼は、あいつの同期。
「今日も派手にやってるな」
「え? 何ですか? 見世物じゃありませんよ」
「こう連日派手にやられちゃ、もう、この朝の日参は社内のトップニュースだ。ま、巷の予想じゃ、いつ木村が折れるかってとこに注目が集まってる」
と竹内さんが、ちらりとあいつに視線を送った。
「わかった。512Mでいこう」
突然、あいつが意を決したように立ち上がった。
「柏木、その資料を5部コピーして、営業グループに配れ」
「白石、森山、坂本、酒井、佐藤、現在256Mを納入している得意先リストを作って、512Mに置き換え可能か、その時期と納入価格を試算しろ。得意先に不利にならないよう、慎重にな。あくまでコスト削減の為の置き換えだ。こちらの生産体制確立までのスケジュールは柏木に聞け。ラインが軌道に乗るまでにはある程度余裕を見る必要がある。営業側の都合だけで動くな。工場とも密に連絡を取れ」
そう一気に捲くし立てると、あいつは、
「じゃ、あとは任せた」
と上着を羽織り、ファイルを片手に動き出した。



