一応、女の一人暮らしだから、宅配マンをいちいちマンションの中にまで入れるなんてことはしない。
そこのところは、徹底しないと。
わざわざ、宅配ボックス設置の物件を限定して探したくらいなんだから。
あたしは、対応を樹に任せ、出かける準備に没頭する。
速やかに乾かした髪は下ろして、ホットアイロンで手早く大きく巻いた。軽く化粧して、いつもより少し赤めのピンクの口紅をさす。
自分でも驚く、僅か十分の早業。
「さ、行こうか」
「なに、めかし込んでんだよ」
洗面を出るなり、樹のこの一声。
「休日しか、お洒落する時ないんだからいいじゃない」
「なんだ、それ?」
「仕事に女は必要ないの! ギャッ! なんであんたがここにいるのよ!」
玄関に目を向けたとたん、あたしは思わず叫んでいた。
「いつき! なんでよ!」
あたしは、くるっと振り返り、樹を睨んだ。
「だって、仕事の同僚でしょ? わざわざ自宅にまで来るって、急ぎの用かと思って」
そこのところは、徹底しないと。
わざわざ、宅配ボックス設置の物件を限定して探したくらいなんだから。
あたしは、対応を樹に任せ、出かける準備に没頭する。
速やかに乾かした髪は下ろして、ホットアイロンで手早く大きく巻いた。軽く化粧して、いつもより少し赤めのピンクの口紅をさす。
自分でも驚く、僅か十分の早業。
「さ、行こうか」
「なに、めかし込んでんだよ」
洗面を出るなり、樹のこの一声。
「休日しか、お洒落する時ないんだからいいじゃない」
「なんだ、それ?」
「仕事に女は必要ないの! ギャッ! なんであんたがここにいるのよ!」
玄関に目を向けたとたん、あたしは思わず叫んでいた。
「いつき! なんでよ!」
あたしは、くるっと振り返り、樹を睨んだ。
「だって、仕事の同僚でしょ? わざわざ自宅にまで来るって、急ぎの用かと思って」



