合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです

「今のわたしのバディは森山くんですから」

「そうだな。だが、いろいろ協力できる部分もあるだろう?」

「はい、そこのところは十分承知しています」

「うん、いや、ならいいんだ。ま、頑張ってくれ」

「はい」

ま、変な噂じゃないだけいいか。

あたしとあいつの不倫の関係を知る者はいない。

多分。きっと。

ま、希望的観測かもしれないけど。

(一人で飲みなおすか……)

と上着を取り、店を出た。

「柏木先輩!」

「なんで、あんたがここにいるの? あたし後頼むって言わなかったっけ?」

「だって、先輩、なんだか様子が変だったし……気になって。森山残してきたから、大丈夫っすよ。どっかで飲みなおします?」

そこに立っていたのは、白石卓だった。