合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです

案の定、彼女は午後一で職場に戻って来たそうだ。

巻き髪をバレットで後ろに束ね、パンツスーツに着替えて。

もちろん、シャツの胸元は第一ボタンまできっちりと留められていたそうな。

米倉律子、二十六歳。

某有名私立大経済学部卒。

入社時の一般教養テストはダントツの一番だったと聞く。

だから、企画営業への転属願いも、割とすんなり受け入れられたんだって。

要は、彼女自身、生かされてないことに不満が溜まっていたんだね。

「でも、森山狙いって噂ですよ」

「建前じゃない?」

「えぇ~、それって森山が可哀想じゃありませんか?」

「いいじゃない、建前。そういうことにしておけば。仕事バリバリしたくて転属願い出した、なんて見た目悪いって思ってんのよ、きっと。
あんた達も抜かされないよう頑張んなさいよ。
で、彼女のバディは誰なの?」

「森山に決まってるっしょ」

「はは……雅樹が決めたんでしょ?」

「良くわかりますね。もう速攻で決まりでした。森山、もう張り切っちゃって見てられませんよ」