合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです

「誤解するなよ。
全てがあいつの思い通りって訳じゃない。
俺が裕子、お前のことを愛する気持ちが、白石のそれに劣るなんて思ってないぞ。
俺にとって、裕子と裕樹はこの命に代えても守りたい宝物なんだ。
だからこそ、あいつには感謝してる。
感謝してるし、あいつの気持ちも大切にしてやりたい。
だから、あいつに踊らされてる。
実際、そうすることで楽しいし、幸せな気分にさせて貰ってる。
俺の育休なんて、あいつの後押しがなけりゃ、絶対実現しなかったろうなぁ」

「うん、うん……そうだね……」

あたしは、胸が、こう、きゅうっと痛くなって目頭が熱くなるのを感じていた。

「俺さ、思うんだ。
俺達がこうして幸せな姿を見せていれば、白石もきっといつか、自分の為の幸せを思い描きたくなるってさ」

「うん、うん……そうだね……あいつは良い奴だし、見た目だって悪くないし、男らしいし、その気になれば何時だって幸せになれるよ……ね」

「随分と褒めるじゃないか」

「いいじゃない、ホントのことだし」

「俺は、それでも裕子が俺を選んでくれて嬉しいよ」

あたしは雅樹に抱きしめられて幸せだった。

それだけで、もう、白石に感謝の気持ちで一杯だった。

でも、白石はそんなことでは満足してはくれないらしい。

どこまでも、貪欲に幸せの形を追求するつもりらしい。

ま、あいつらしいっちゃ、らしい気もするけど。

こんなにも、あいつが完璧主義者だったなんて以外。

ま、この際、あたし達を実験台に、行けるとこまで行ってもらおうじゃないの!