合縁奇縁～女は欲張りな生き物なのです

「まさか！
舞子は多分真剣だよ。彼女なりにね。
いいじゃない、もし子供出来なくて、結婚してもらえなくても、ラブラブ度は一気にアップするわけだし。
まさか、それっきりバイバイってことはないでしょぉ？」

「そんなことになったら、俺、立ち直れないよぉ……」

そうだね、樹、あんたは打たれ弱いから……

「そんな情けない顔しないの！
ま、気楽に受け止めんのね。
幸せでラブラブな結婚の予行演習ってな感じでさ。
で、何時からなの？
その同棲。
どうせもう決まってんでしょ？」

「……今週末から。
もう、着替えや日用品なんかは宅配便で家に届いてる。
後は、今週末、舞子が身一つでここへ来るだけなんだけど……」

「大丈夫だって、そんな顔しないの、樹！
舞子は好きでもないのに遊びで同棲したりするような女じゃないよ。
それは絶対保証するから。
あんたは、幸せでラブラブな毎日を送ることだけに専念しなさい。
あとは、この姉に任せる！」

あたしは笑って、樹を部屋へ帰した。

でも、ひとつ気に掛かることがある。

それをはっきりさせないと。

あたしは、短いメールを舞子に送った。

『樹んとこ行く前に寄って』

『了解』

直ぐに短いメールが返ってきた。

舞子らしいっちゃ、舞子らしい。