合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです

「まぁ、俺も管理職でなかったら、白石と森山の仲間に入るとこなんだけどね」

「えっ?」

ある晩、雅樹が呟いた。

「確かに、うちの会社は、結婚した女子が仕事を続けていけるような体制が整ってはいないからな。お前のことは、特例として、俺が無理を通せばなんとかなるかとも思ったが、これからの時代、そうも言ってられんだろう。会社にとってもいい時期なんじゃないか、こういうことを考える。また、若い奴らから、そういう声が上がってるっていうのも、活気があって俺は好ましいと思ってる」

「そんな、難しい話なんだ……」

「ある意味な。雇用契約に関することだし。人事権を管理する上の者にとっては、有難くない話かも」

「って、あたしの為にみんなに無理なんてさせられないよ。雅樹、止めてよ。なんか、やばそうだったら、絶対止めてね!」

「お前だって、わかってんだろ? あいつらは馬鹿じゃない。その反対で、むちゃくちゃ要領がいい切れ者だ。まぁ、お前の為ってのが、最初の大きなきっかけかもしれんが、これは、あいつらにとっても重要な問題なんだ。裕子は心配すんな。お前は、お腹の子と自分の健康だけを考えていればいい。明日は検診だろ? ほら、もう寝ろ」

明日、月曜の検診の後、十月末の水曜をもってあたしは産休に入る。

その後は、予定日まで、毎週検診に通うことになるらしい。

最後の二月で、お腹の子供はぐっと大きくなる。

今まで以上に、身体に負担もかかるらしい。

色々不安はあるけど、今までが順調だったので、あたしも気楽に構えていた。