合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです

それから、休職までの三ヶ月、あたしは日に日に大きくなるお腹をかかえ、無事引き継ぎを終えることができた。

時差出勤やノー残業を支えてくれた、同僚と室長に感謝、感謝だ。

みんな、嫌な顔一つせず、あたしを励ましてくれたのは、白石と森山が開いてくれた、あの結婚祝賀パーティーのお陰かもしれないとあたしは思っていた。

『どうもな、主体的に動いているのは白石のよう見えるが、裏で知恵を授けているのは森山らしいぞ』

そんな話をあたしに漏らしてきたのは、勿論、雅樹。

『なんでも、あいつの姉貴が昨年出産したとかで、やたらそこら辺の事情に詳しいらしい。また、その姉貴っていうのがあいつより八つだか上で、丁度お前と同じ年回りなんだとさ』

ふうぅん、成る程ね……と頷いた。

冷房の効いた執務室に、ひざ掛けを持ってきてくれたのは森山だった。

『ほら、柏木先輩は内勤の経験少ないっしょ。普通、女子はこういうの必須ですよ。冷えは女の大敵です。特に妊婦さんはね』

なんて、ちゃっかりあたしの膨らんだお腹にタッチしていったっけ……

あ、あのサポート靴下も助かったな。

『先輩、脚むくみませんか? これ、試してみてください。姉貴のお薦めっす』

確かに、夜になると脚がむくんで困ってた。

営業で外回りしてた時の脚の痛みとは違って、なんか脚が腫れて内側から破裂しそうな不快感。

酷い日は、ほんと象さんの脚のようにむくんでね……だから、ほんと助かった。

ありがとね、森山。