バカと天才で

そう言えば
この二人が揃えば、いつもこんなのだったな…

涼祐も貴兎も、ヤンキーと真面目みたいな感じなのに、何故か仲が良かった
多分、それは
貴兎は俺様で、涼祐は隠れドSと言う、腹黒の共通点があるからだ。


「くそうッ、この腹黒コンビめっ」


「美咲、口が悪いよ?」

「誰が腹黒だって?」

「…いえ、ナンニモナイデス」


「悪い、これから家庭教師来るんだ。もう帰んねぇと
…じゃあな、貴兎、…美咲」

「…え、あ…うん。"またね?"」

「…サヨナラ」

「…また、メールするから」

「じゃあな、貴兎」

「おー、カテキョ頑張れ」

「ああ、じゃ」


そう言って、涼祐の背中が私から遠ざかって行った。

「…っ」

ポンッ

私の頭に手が置かれた

「何泣きそうな顔してんだよ。不細工がますます不細工だぞ?」

「…うっさい」

「どーしました?美咲ちゃん?」

「……そわそわする」

「そわそわ、ねぇ」

「嫌な予感って感じ」