「コウタには話してなかったよね。
 あのね。あたし、2年前ぐらいに事故に
 あったの。
 原因はヒロキとしたちょっとしたケンカ。
 ヒロキの家にいたあたしはヒロキの家を飛び出した。
 そしたら、トラックにひかれたの。

 頭を強く打ったあたしは、命は助かったけど
 ヒロキの記憶をなくしたんだ。

 それで6ヶ月間記憶をなくしたあたしは記憶を
 取り戻した。
 でも、お母さんに言われた。

 あたしが記憶をなくしてる間にヒロキは自殺した。
 って。」

「それで、今日ヒロキに会ったてことか。
 でもさ、ヒロキはなんで自殺したって事に
 しといたの?」
「俺さ、自分勝手なのはわかってたけど、
 俺のせいでアイがあんなことになったのが
 イヤだったんだ。
 
 だから俺が、エリカにもヒロにもアイのお母さんにも
 お父さんにも、俺は死んだことにしといてって
 頼んだ。」

「そんな・・・。
 ひどいよ。
 ヒロキが死んだと思ってどんだけ悲しかったと思う?
 どんだけ泣いたと思う?」
「ほんとにごめん。」


それからあたし達はずっとだまってた。