出世魚

「おはようございます」

やっぱり。

振り返ると彼がいた。

私服・・・おしゃれだな。

しばし みとれる。

「ここピンポーンってすると鍵開くんで、開店前はこんな感じで入っちゃって下さい。」

「はぃ。」

ドアを開け、どうぞ という仕草で先を譲る彼。

ペコリと頭を下げ、彼の腕の下をくぐる。

イイ匂いがした。