鍵を開けるのももどかしい


部屋を開けると


間違いなく電気が灯っていて


玄関には君の靴とキャリーバック


その奥にはソファーで


うたた寝する君の姿。


君は君なりの賭けをしていた?


それで俺を待っていたのか?


肩で息をしながらも息を殺し


君にそっと近づく


君の頬には涙の跡。


泣き疲れて寝てしまったんだね。


胸が締め付けられる


思わず


「笑…ごめんな」


と言ってその頬に口づけた。


『…ん…?朝陽[あさひ]?』


寝ぼけ眼で俺を見つめる君。


俺は急に照れ臭くなってカーテンを全開にした。


「朝だよ、起きろよ笑。」


君は起き上がり俺の隣に。


『ホント、朝陽が眩しい!


綺麗だね…』


寂しそうな、


でも何かを決意したような


君の笑顔。


君の決意は揺るがないの?