「はぁ、今日も徹夜かぁ…


こうも続くと嫌になるな…」


誰も居ない会社に一人。


ここは10階、都心近くなのにわりと眺めがいい。


外はまだ暗い闇だ。


もうすぐ夜も明けるだろう。


俺はコーヒーを片手にバルコニーに出た。


「寒っ…」


まだ10月だと言うのに寒い夜だ。


こんな日の朝焼けは綺麗だ。


煙草に火をつける。


男ばかりの会社だが、


社内禁煙…。


「喫煙者は肩身が狭いな」


なんて呟く。


いつもなら…


仕事が終われば何時であろうと帰る。


付き合いで飲んでいてもね…。


君が待っているから


眠っている君の


隣に潜り込んで眠る。


それだけでも俺はいいと思っていたんだ。


そこに君がいてくれるから。