気付いた時には、バースは深い闇の中にいた。ダリアと出会った時とは違うどこまでも続く深い真っ暗な闇。
「クソッ!出口を探さねえと」
きっとあるはずだ。ダリアの時もあった。
走り出そうとした時、突然バースは声をかけられた。
「バース」
一瞬ダリアかと思ったが、振り向いて違うと分かった。そこに立っていたのはジュリア。
「ジュリア、お前も催眠術をかけられたのか?」
その瞬間ジュリアがバースを押し倒し、その鋭い爪をバースの喉元に突き付けて来た。