やはり気付かれていたか。
バースはずっとジョーカーの口元を見ていて、鼻から上を見ないようにしていた。ジョーカーと目を合わせれば、あいつの術中にハマってしまうから。それだけは避けないと。
「無理矢理にでも目を見てもらいますよ」
言いながらジョーカーは駆け出し何度も剣を振り下ろして来る。それを弾きながらバースは剣を離さないように力強く握る。
相手の一撃一撃がとても重く、少しでも気を抜けば剣を弾き飛ばされそうだ。