君に染まる(後編)



家を出ると、先輩は門にもたれかかりうつむいていた。


いつのまにか降りだしていた雪で頭を白くさせる先輩に駆け足で近寄ると、あたしに気付き姿勢を正す。



「お待たせしましたっ」



門の開閉をしながら先輩を見上げると、少しだけ頬と鼻が赤い気がした。



30分も待たせてないとはいえ、雪も降ってるし体を動かさないでいたならきっと寒かったよね…。



「んじゃ、行くか」


そう言って歩き出そうとする先輩の腕をとっさに引っ張る。


「ん?」という顔をして振り返った先輩の腕をさらに引っ張り、少し前かがみになる状態になってもらった。

そして、持っていたマフラーを先輩の首へかける。



「あの…すみません、寒かったですよね」


マフラーを巻いて頭の雪も軽くはらう。



「あ………あぁ、サンキュー」


若干間が空いたあと、先輩はそっとマフラーに触れた。



「未央はいいのか?」


「あ、はい。念のために持ってきただけなので」


「そうか、じゃあありがたく。その代わり…」



マフラーに顔をうずめた先輩は、そう言うとあたしの右手をギュッと握った。



「手袋代わりっつーことで」



ひんやりとした大きな手に包み込まれ、思わずドキッとする。


「…あったけぇな…未央の手…」



しみじみとそう呟く先輩にひかれ、クリスマスムードで盛り上がる街へと向かった。